🌿ブログ
夏の遠足
夏の遠足
昨日の休みの日に、東大阪の八戸ノ里にある「司馬遼太郎記念館」を訪れてきました。
阪急淡路からJRおおさか東線に乗り継いで、初めて乗る路線に結構ワクワクしながら、車窓の風景を楽しんでいました。
「乗り鉄」の方は、また違う楽しみ方をされるんでしょうね。
近鉄八戸ノ里駅。
ここのホームや階段を、司馬さんも乗り降りしていたのかな……などと思いながら降り立つと、生駒の山並みも近く、大阪市内の喧騒から紙一重のところに、昔ながらの大阪の奥座敷のような佇まいを今なお残している、そんな街並みです。
駅から徒歩8分ほど。
静かな住宅地の中に、木々に覆われた一画があります。
目立たないくらい小さく、「福田」と記された司馬遼太郎さん直筆のレリーフが表札代わりに掲げられています。
一歩踏み込むと、もう森の中。
司馬さんは雑木林がお好きだったそうで、書斎の前の庭にも雑木を植え込み、執筆の合間に木々を眺めながら憩われていたそうです。
でも、そこは本当に森。
オブジェとして置かれていた「鉧(けら)」を眺めていたら、縞模様のくっきり浮かんだ藪蚊の襲来に遭いました。
森の中にひっそりと司馬さんのご自宅があり、書斎の様子を窓越しに見学できるようになっています。
当時執筆中だった『街道をゆく――濃尾参州記』のための資料が書斎に集められ、亡くなられた当時のままの状態で保存されているそうです。
記念館の中に入ると、地下1階から地上2階まで吹き抜けになった壁一面を、司馬さんの蔵書で埋め尽くした大書架が目に飛び込んできます。
地下から見上げると、首が痛くなるほどの本の壁。
『古事類苑』『プラトン全集』といった硬い本から、地名辞典、江戸期の諸藩の藩士名簿(?)まで……。
とにかく多岐にわたる、こんな小さなことまで調べるの?と思ってしまうほどの、種々の本、本、本。
その中に上方落語の本もあり、「ほっ」としました。
司馬さんの記念館ならではのエピソードが一つ。
この記念館ができてしばらく経ったころ、「坂本龍馬が記念館を覗いてる!」と、来館ノートに書かれるようになったそうです。
大書架の隅。
天井の打ちっぱなしのコンクリートが乾く過程でできたシミが、坂本龍馬の姿にそっくりなんです。
僕も見上げてきましたが、まさしく坂本龍馬、その人でした。
訪れた際には、ぜひとも見てください。
館内ではビデオの上映があったり、現在放送中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」にまつわる展示があったり。
ひと通り見終えて、また森へ。
館から森へ出ると、ばったり出くわしたように「クロガネモチ」の木が目に飛び込んできました。
そこで、昔見た大河ドラマ『篤姫』の一場面を思い出しました。
宮﨑あおいさん演じる篤姫が、まだ幼く「お一(おかつ)」と呼ばれていた頃。
今泉島津の屋敷で姫の姿がかき消え、皆がさんざん探し回った挙げ句、姫はクロガネモチの木の上で寝込んでいた……という場面です。
思いがけず、そんな記憶までよみがえってきました。
長年気になっていた場所を、ようやく訪れることができました。
暑い夏の日の、ちょっとした遠足。
なかなか楽しい一日でした。









